ごあいさつ

院長からのごあいさつ

院長挨拶

2022年の時点で皆様にお送りしたメッセージも2年が経過していくつか語り直しが必要であると感じています。
2024年は能登半島の震災から始まり、羽田の航空機事故が併存して発生し、自然と技術と人間の在り方に思いを寄せる年として始まりました。
2020年からの4年間はCOVID19の世界的なパンデミックの発生で、社会において個人としての「私」はどのように過ごしていくのかを再考せざる終えない状況が続きました。旧来の「ノーマル」から「ニューノーマル」への移行をどのようにすべきなのかということを問いながら自らの答えを模索する期間であったわけです。
そうしてCOVID19への理解が進んで、「ニューノーマル」が見えてきた矢先に能登の震災、航空機事故が起こりました。これからの5年を考えるとき、私たちはこの高槻南西地域でどのような役割を担い、地域社会の構築にどのようにかかわっていくことが必要なのか。
そのことを問いながらの2024年度のメッセージをお届けしたいと思います。

2024年度の事業計画を作成する中で現状に対するいくつかの重要な認識に至りました:

  1. 私どもが事業を遂行している地域において、居住されている方々の家族構成の変化に伴う医療・介護の需要の内容が大きく変化しつつあること
  2. 保健制度および福祉制度の改変により、これまでの事業の推進をそのまま推進することは経済的な困難に直面するので、事業体の構造改革が必要なこと
  3. 私どもの事業が展開される地域(病院を中心にして2kmの範囲の地域)において、そこに居住される方々にとって、私たちの事業体が必須のもの(コモンズといいます)であることを理解していただけるために、私どもの事業体の特徴/個性を明確に提示する仕組みを構築することが必要であること


以上の現状認識に基づいて取り組む事柄は以下の4つです:

1.地域の医療・介護の需要にこたえるためには、この地域における私どもの事業体の特徴である地域医療支援事業体としての機能が十分に発揮できるように、在宅訪問医療・訪問看護/介護・軽症中等症の急性期医療・地域の健康高齢者の自立支援さらには地域に居住している子供たちの保護教育支援事業も推進していくこと
2.経営効率を上げていくためにチーム医療・介護を推進できる仕組みを整備し、それぞれの職員が自らの仕事の専門性を高め、チームの一員として良質なサービスを提供できるように自己研鑽できる環境を整えること
3.病院は個人情報を管理する重要な機関の一つである(もう一つは自治体行政)という認識から、地域住民の個人情報を保管し管理できるように「うえだ下田部病院にカルテをつくろう運動」を展開すること(これは健診運動を進めることでもある)
4.コモンズとして病院を運営していくために、地域住民が必要な医療・介護情報に簡便にアクセスできる環境(情報環境DX)を整えて、それを利用者に開放すること

 

2024年9月1日 院長 閔 庚燁

 

理事長・会長からのごあいさつ

徳本 光昭理事長

徳本 光昭 理事長

植田 和子会長

植田 和子 会長

 
特定医療法人健和会の事業として「うえだ下田部病院」「介護老人保健施設ふれあい」は、公害から子供たちの命と健康を守る地域住民の運動の中で、1975年開設された「うえだ下田部診療所」を出発点として、地域住民の意向を受け、共に創った病院と施設です。

その後、訪問看護ステーション・ケアプランセンター・包括支援センターを立ち上げ、地域の高齢者の在宅での療養を支えていくための体制を整えました。

”患者・利用者さまの立場に立って”医療や介護を実践するには皆さまの声を聴き、共に創っていきたいという理念のもとに取り組んできました。

これまでは患者さまの医療ニーズに応えて、断らない医療をめざして救急医療や手術も含めて行ってきました。しかし、時代の変化の中で地域の医療環境も大きく変化してきています。それぞれの病院の果たす役割は変わりつつあります。

高齢化が進み2025年に団塊の世代が75歳を迎えます。それは医療需要が増大して、適正な医療供給が困難を迎えると考えられ、国は病院機能を高度医療、一般急性期医療、回復期医療、慢性期医療に分け、急性期医療を目的とする入院期間の短縮化と慢性期医療の在宅化を誘導することで対応する計画を進めています。

このような情勢の変化を見据えて、当法人では次のような機能を果たしたいと考えています。

  1. 地域住民の健康問題や医療・介護について相談と実践ができる、かかりつけ医療機関としての役割を担う。疾病による障がいを少なくし、本来の身体機能を取り戻すため、寝たきりにならないようにリハビリに力を入れる。
  2. 地域包括支援センターのもとで、高齢者が在宅での生活を安心・安全に過ごせるように医療と介護の充実、入院・外来・老健施設との連携の強化を図る。
  3. 高齢者の孤立化・孤独化さらに増加する認知症に対する支援を多職種の専門の方と連携を密にして可能な限り行う。
  4. かわもとこどもクリニックを拠点として、医療だけでなく子供たちの暮らしの支援を通して子供たちの成長と健康を見守る。
  5. 地域住民の皆さんが、楽しく過ごしていくための企画を健康守る会と共に実行していく、などです。

私たちが提供する地域医療は、地域社会が成り立っていくために必要な共有の財産として、守る会をはじめ多くの方々の協力によって育てられていくものと思っています。超高齢化社会と少子化という厳しい情勢ではありますが、人を信じ、人と共に歩むことで新しい医療と介護の在りかたを築いていきたいと思います。

2022年7月 特定医療法人健和会
理事長 徳本 光昭
会長 植田 和子

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