高槻市南西部の下田部地区に病院事業を開始して来年には35年を迎えます。35年前に地域の住民の方々の支援によって誕生し、多くの方々に愛され、育まれてきたうえだ下田部病院も、さすがに施設の老朽化や職員の高齢化による事業の停滞を迎えています。このような時期に3年間におよぶコロナパンデミックに遭遇しました。
コロナパンデミックは、この地域における医療・介護の提供体制の潜在的な問題点を浮き彫りにしました。
①私どもが所属する地域は特に高齢化とともに孤立した高齢者がたくさん出現していること
②地域包括システムにおける私どもの病院の立ち位置は、回復期と慢性期の医療・介護を提供する事業であること
③これからの事業を推し進めるには、外来・病棟・在宅事業の在り方を見直さねばならないこと
このような問題点に対し、昨年度の8月に私どもはコロナ専用病棟を立ち上げ運営しました。その結果これからの医療提供の体制に対して4つの目標を立てています。
1)ゾーニングなどの感染対策を速やかに実行できる複数の陰圧室と感染対策手技を身に着けた複数の職員が必要なこと
2)地域の方々がそれぞれの人生を全うできるように支援する終末期を含めた地域包括体制を確立すること
3)慢性期の医療と介護が提供できる在宅診療を地域包括体制の要として構築すること
4)その地域包括体制はインターネット環境下のデジタル技術を用いた新しいシステムの下で運営されること
今年の秋にはポストコロナの体制への第一歩が開始される予定です。私たちは、ポストコロナ体制に向けて上記の1)~4)の目標が達成されるように事業の改革を推し進めて行きます。それによって、これからの3年間で地域社会が直面する2025年問題に私どもの法人が正面から対応できるようにしたいと考えています。皆様の暖かいまなざしと支援を期待しています。
2022年5月26日
特定医療法人健和会の事業として「うえだ下田部病院」「介護老人保健施設ふれあい」は、公害から子供たちの命と健康を守る地域住民の運動の中で、1975年開設された「うえだ下田部診療所」を出発点として、地域住民の意向を受け、共に創った病院と施設です。
その後、訪問看護ステーション・ケアプランセンター・包括支援センターを立ち上げ、地域の高齢者の在宅での療養を支えていくための体制を整えました。
”患者・利用者さまの立場に立って”医療や介護を実践するには皆さまの声を聴き、共に創っていきたいという理念のもとに取り組んできました。
これまでは患者さまの医療ニーズに応えて、断らない医療をめざして救急医療や手術も含めて行ってきました。しかし、時代の変化の中で地域の医療環境も大きく変化してきています。それぞれの病院の果たす役割は変わりつつあります。
高齢化が進み2025年に団塊の世代が75歳を迎えます。それは医療需要が増大して、適正な医療供給が困難を迎えると考えられ、国は病院機能を高度医療、一般急性期医療、回復期医療、慢性期医療に分け、急性期医療を目的とする入院期間の短縮化と慢性期医療の在宅化を誘導することで対応する計画を進めています。
このような情勢の変化を見据えて、当法人では次のような機能を果たしたいと考えています。
私たちが提供する地域医療は、地域社会が成り立っていくために必要な共有の財産として、守る会をはじめ多くの方々の協力によって育てられていくものと思っています。超高齢化社会と少子化という厳しい情勢ではありますが、人を信じ、人と共に歩むことで新しい医療と介護の在りかたを築いていきたいと思います。
2022年7月 特定医療法人健和会
徳本 光昭 理事長
植田 和子 会長
受付時間
午前:7:00~12:00
午後:12:30~15:30
診療時間
午前:9:00~12:00
午後:14:00~16:00
休診日
日曜日・祝日
年末年始(12月30日-1月3日)