睡眠と生活習慣病の関係について学びました! ~ 糖尿病教室 開催レポート(26年3月5日開催)

睡眠と生活習慣病の関係について学びました! ~ 糖尿病教室 開催レポート(26年3月5日開催)

今回は17名の方が参加されました!

来たる3月5日午後より、健和会めぶきホールにて糖尿病教室が行われ、17名の方が参加されました。
今回は「質のよい睡眠から考える生活習慣病」をテーマとし、睡眠と生活習慣病の深い関わりや、皮膚トラブルの予防、そしてよい睡眠につながる体操について一緒に学ぶ場となりました。

開始前に血糖値や血圧などを測ります

開始前に、看護師が血糖値や血圧などを測ります

 

質のよい睡眠から考える生活習慣病~眠りと血管の深い関係~

スライドを指さして睡眠の質に関する講義をする耒海医師

糖尿病内科 耒海医師による「眠りと睡眠」に関する話

糖尿病内科の耒海医師より、睡眠不足が体に与える影響や、睡眠の質を高めるための環境づくりについてお話がありました。


■気づかないうちに溜まる「睡眠負債」

働き盛りの日本人の約半数が、理想(7〜9時間)に満たない「6時間未満」の睡眠しかとれておらず、世界有数の睡眠不足大国となっています。この慢性的な睡眠不足は「睡眠負債」として蓄積し、たとえ自覚がなくても、日中のパフォーマンスを著しく低下させます。


■ 睡眠不足が引き起こす健康リスク

睡眠不足は、生活習慣病をはじめとする様々なリスクを跳ね上げます。
肥満と糖尿病:
食欲を増すホルモンが増加し、太りやすい体質に。また、睡眠時間が5時間以下の人は、7時間以上の人に比べて糖尿病の発症リスクが5倍になるというデータも紹介され、「寝ない大人は横に育つ」と注意喚起がありました。
免疫力低下と認知症:
風邪を引きやすくなったり、ワクチンの効果が下がるほか、アルツハイマー型認知症のリスク上昇にも関連しています。


■ 朝「しっかり休まった」と感じるために

質の良い睡眠(睡眠休養感)を妨げる原因として、以下の点に注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS):
成人の6人に1人が該当します。肥満の方だけでなく、骨格的に「痩せ型の女性」にも多いため注意が必要です。いびきや日中の眠気がある場合は、早めの検査が推奨されます。
夜間頻尿と長すぎる床上(しょうじょう)時間:
夜に何度もトイレに起きる場合は内科や泌尿器科での治療を優先しましょう。また、高齢になり睡眠時間が短くなるのは自然なことですが、眠れないまま布団に長く留まるとかえって睡眠の質が下がります。「眠れないなら布団から出る」ことが大切です。


■ ぐっすり眠るための「環境づくり」

睡眠は、環境を整えて習慣化してしまえば無理なく毎日続けられます。

寝室の温度は朝まで一定に:
夏は24度、冬は20度前後(湿度40〜60%)。タイマーで切らずにエアコンをつけっぱなしにする方が睡眠の質は高まります。
寝る時は「靴下」を脱ぐ:
入浴で上がった深部体温が、手足から放散されて下がる時に強い眠気が訪れます。靴下は熱の放散を妨げるためNGです(湯たんぽも寝る時には布団から出しましょう)。
光・カフェイン・アルコールに注意:
寝る前の部屋は「夜道の街灯の下」くらい薄暗く。コーヒーは夕方4時まで、寝酒は中途覚醒を引き起こすため就寝の4時間前までにしましょう。

ぐっすり眠るための環境づくりについての図(内容は本文と同じです)
人生の3分の1を占める睡眠を改善し、日中の活動をより充実させていきましょう!

「皮膚トラブルありませんか?」

看護師よりスキンケアの方法について、保湿剤を使いながら説明するところ

日頃のスキンケアの方法についても話をしました!

続いて、看護部の川端・小山・山下看護師より、糖尿病と皮膚トラブルの関係についてお話がありました。


高血糖の方は皮膚トラブルが起こりやすい

糖尿病による高血糖の状態が続くと、多尿から脱水を招き、結果として皮膚が非常に乾燥しやすくなります。
乾燥した皮膚は外部からの刺激に敏感になり、強いかゆみを引き起こし、そこから皮膚を引っ掻いて小さな傷ができると、菌が侵入しやすくなります。
糖尿病のある方は免疫力が低下していることも多いため、感染症が重症化しやすく、治療が長引いたり足の組織が壊死するような「足病変」へと進行する危険性があります。

皮膚や爪の毎日の観察が重要

こうした重症化を防ぐためには、日頃からの観察が極めて重要です。毎日入浴後などに「足の指の間の皮がめくれていないか」「タコやひび割れがないか」「爪が分厚く変色していないか」といったセルフチェックを行い、小さな変化を見逃さないようにしましょう。一つでも気になる症状があれば、早めに受診することが大切です。

正しいスキンケアの方法とは

また、当日は〇×クイズを交えながら、今日から始められる正しいスキンケア方法を楽しく学びました。

入浴時の工夫
熱すぎるお湯は皮膚の天然の皮脂を奪い、乾燥を悪化させます。38〜40度程度のぬるめのお湯に浸かることをおすすめします。体を洗う際も、低刺激の石鹸を使いゴシゴシ洗いは避けましょう。
正しい保湿のタイミング
入浴後、皮膚がまだ湿っているうちに自分に合った保湿剤を毎日塗ることが最も重要です。ただし、足の指の間に塗るとふやけて別のトラブルの原因になるため、指の間には塗らないよう注意してください。
足を守る靴と靴下
裸足で靴を履いたり、足に合わない靴を履いたりするとタコやマメの原因になります。柔らかい素材で足の形に合った靴や、吸水性が高く縫い目の少ない靴下を選ぶことで、摩擦や汗によるトラブルを防げます。


皮膚の異変に気づいたら医師や看護師に相談を

糖尿病と皮膚トラブルは密接に関わっています。足元などの日々のこまめな観察と、正しいスキンケア(ぬるめのお湯での入浴・保湿・足の保護)の習慣が、重症化を防ぐ一番の鍵となります。もし小さな傷や異変を見つけた際は決して放置せず、早めに当院の医師や看護師にご相談ください。

「よい睡眠につながる体操について

理学療法士の指導でみんなでスクワットをしています

みんなで座ってできる体操を実践しました!

平井理学療法士からは、よい睡眠を促すための体操を実践形式で学びました。

睡眠不足はインスリンの働きを悪くするため、糖尿病に悪影響を及ぼします。一方で、就寝前の激しい運動は体を興奮させてしまうため、寝る30分〜1時間前に穏やかな体操を行い、心身をリラックスさせる「副交感神経」を優位にすることが質の高い睡眠に効果的です。

参加者全員で、以下の運動を実践しました。

腹式呼吸:
3秒鼻から吸ってお腹を膨らませ、6秒かけて口から吐いてへこませる。
上半身の運動:
肩の上げ下げや、胸を開くストレッチ(呼吸が深くなり睡眠時無呼吸の軽減にもつながります)。
下半身の運動:
椅子に座っての足首回しや、ふくらはぎ・太もものストレッチ。全身の血行を促進します。
呼吸を止めず、痛気持ちいい範囲で無理なく毎日続けることが大切だというお話で締めくくられました。

これからも糖尿病教室を行っていきます!

最後に質問コーナーが設けられ、「運動の頻度(毎日が理想)」や「昼寝のとり方(15〜20分程度が有効。長すぎると夜の睡眠の質が下がるため注意)」などについて活発な質疑応答が行われました。
これからも、糖尿病で受診をされている方、血糖値が気になる方などを対象に、テーマを変えて定期的に糖尿病教室を行っていきたいと思っております。どなたでもご参加いただけますので、お気軽に皆様のご参加をお待ちしております。
(次回は秋頃の開催を予定しております)


糖尿病外来に関するお問合せなどは、うえだ下田部病院までお気軽にご連絡ください!

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